新型コロナウイルス感染防止のために子供が家庭にいる時、かんたんな自由研究が役に立ちます。
新型コロナウイルスのために、学校が臨時休校になり、子供、保護者、教師、その他みんなが、子供を家庭でどのように過ごさせるか困っていると報道されています。
ところで、私が子供と自由研究に取り組んだ時、子供も私も楽しく、また、その後の子供の成長にも役立ちました。今でも、いい思い出です。
そこで、この経験から、新型コロナウイルス感染防止のために家庭にいなければならないとき、イライラを解消できて、しかも、勉強に役立つ自由研究を提案します。
簡単です。
持て余している時間を、意味ある時間にすることができます。
保護者として、子供を家で、ゲームやユーチューブ、TVばかりで遊ばせておくわけにいきませんね。でも、子供に、ただ勉強しなさいとも言えません。とは言っても、子供とTVやゲーム無しに、時間を共有するのも一苦労です。
学校の先生も、授業で子供に身に付けさせなければいけなかった事柄を、無理やり大量のプリント(宿題)でお茶を濁すしかなく、来年度の授業のことを考えると頭が痛くなっているはずです。
一番の被害者である子供は、外にも出られず、家にいなければならないので、とてもつまらない毎日を送っていると思います。
そこで、三者にメリットのある自由研究をご紹介します。
この研究には、
保護者にとっては、簡単に、台所で子供と一緒に時間を共有できる。
学校の先生にとっては、子供の自主性や問題解決能力を育てられる。
子供にとっては、ある程度体を動かすのでおもしろい。しかも、保護者や先生に褒められる。
などのメリットがあります。
身のまわりにあるどんな水が電気を通すか調べる実験を、面白そうにやっていました。
最初に実験装置を親子で作りました。
水に電気が流れると、LEDが光ります。LEDの明るさとけん流計で、いろんな水の電気の通し易さを調べました。
上の図は、実験装置のしくみです。
ほとんどの材料を100円ショップで、簡単に集めることができました。
具体的な材料や作り方は、下の記事をごらんください。
台所にある飲み物や調味料で実験しました。
予想を立てました。
ただ、予想をしないで実験させるのではもったいないです。たとえ、大人から見てそんなはずはないだろうという予想でも、必ず子供と予想してから実験することが大切です。私の場合、予想が外れた時、親子でさまざまな考えを話し合うことができました。
楽しかったです。
手に入る水をできるだけたくさん試してみました。
15種類の水について調べました。りんご、オレンジ、レモンの場合には、果実をしぼって生ジュースを作りました。水は全く加えませんでした。
子供は、料理感覚で楽しそうに実験していました。
おもしろい実験結果が出ました。
下の図は、実験結果です。
①塩からい水とすっぱい水の場合に電流が強く、味のない水や苦い水の場合は、電流が弱いことがわかりました。
②塩からいものほど、すっぱいものほど、電流が強くなりました。
③甘いグループの中で、さとう水や清涼飲料水の場合と、スポーツドリンクや牛乳とで結果が異なり、不思議に思いました。
さらに、こんな実験も楽しそうでした。
塩の濃さ、酢の濃さを変えたら電流はどう変わるか。
さまざま濃さの塩水、酢水を作り、電気を流してLEDの光の強さ(または電流計の針の振れ)を調べました。
横軸に塩水あるいは酢水の濃さ、縦軸にLEDの光の強さ(または電流計の針の振れ)にすると、面白いグラフが書けました。
なぜスポーツドリンクは、さとう水の場合よりも、電流が強くなるのか。
スポーツドリンクの甘さに合わせて、砂糖と食塩を入れたスポーツドリンクもどきを作り、砂糖水だけの場合と比べていました 。
子供が自分でスポーツドリンクを味見しながら、砂糖と食塩の量を調整していました。
まとめ
新型コロナウイルスのために臨時休校になって、子供を家庭でどのように過ごさせるか困っているみなさんのために、かんたんな自由研究に取り組む過ごし方について提案しました。
文部科学省も下のようなサイトで応援サイトを公開しています。
災害を風化させない方法、防災をテーマにした子供の自由研究が役立ちます。
東日本大震災から9年になりました。政府はハード面の復興が進んだことを強調していますが、人々の関心は明らかに風化してきています。
言い古されたことですが、自然災害はいつ起こるかわかりません。そして、繰り返し起きます。次の災害に備えるために、災害の記憶を風化させてはいけないと思います。
ところで、私は、東日本大震災の直後から、課題研究(高校の科目)という授業で、東日本大震災被災者支援チャリティーや災害時に必要なものを作る研究に生徒と取り組みました。その時に、生徒の災害に対する姿勢や他人への思いやりなどが変化したことを感じました。
その経験から、災害を風化させないためには、防災をテーマにした子供の自由研究が役立つ思います。
そこで、課題研究を生徒ともに行った経験に基づいて、防災をテーマにした自由研究に期待される効果と、自由研究の手掛かりになるアイデア・技術についてお話しします。
防災をテーマした自由研究に期待される効果
防災をテーマした自由研究には、次のような効果が期待されるので、災害を風化させないことに役立つと思います。
効果1:研究目的がわかりやすいので、自由研究に積極的に取り組みます。
「研究」というと難しそうで、何をしたらいいか迷ってしまいます。自由研究でも、子供自らが積極的に取り組むようにするのが最も難しいです。
東日本大震災後の1か月後のときです。課題研究のテーマおよびグループ分けをするときに、防災をテーマにすることを提案したところ、予定人数を超える生徒が集まりました。その後、生徒は、約1年間、積極的に取り組んでいました。翌年も、防災をテーマにした課題研究に、多くの生徒が希望しました。結局、5年間も継続しました。
毎年多くの生徒が、研究を通じて災害による被害や恐さを心に刻んでいました。
防災をテーマにすることで、研究目的を自らの視点で捉え、子供自らが積極的に取り組むことが期待できます。
効果2:災害時を具体的にイメージして備えを考えることができます。
東日本大震災後では、生徒が、灯り、電源、通信の必要性を実感しました。
そのため、生徒の課題研究では、災害用の効率のよい照明、ポータブルの太陽光発電装置、停電時でも使える校内情報ネットワークなどの製作に取り組みました。
防災について考えることは、誰が、どんな場面で、どのように、何を使うのかをイメージすることです。防災の自由研究に取り組むことで、災害時を具体的にイメージして備えを考えることができます。
効果3:自分の視点だけでなく、他の人々や社会について考えるようになります。
自分の視点だけで物事を判断する人が多くいます。私の生徒もそうでした。しかし、災害時の自分をイメージすることで、一人では何もできないことに気が付き、他の人々や社会を意識できるようになっていました。そのため、子供が自由研究に取り組むことで、同じような効果が期待できます。
防災をテーマにした自由研究の手掛かりになるアイデア・技術
防災の自由研究の期待される効果を理解しても、手掛かりとなる技術・アイデアがないと難しいと思います。日々の生活では停電を経験することはほとんどありませんが、災害時には停電することを考えておかなければなりません。そこで、停電への備えについての技術・アイデアを2つ紹介します。
電気コード発電
テレビ、パソコンやエアコンなどの電気製品を使っている時、その電気コードのまわりから磁力線が出ています。この磁力線を使って発電することできます。
災害のために乾電池を保管しますが、乾電池は自然に消耗するので使用期間を管理しておく必要があります。
電気コード周りの磁界から発電する方法は、家庭用電源を使用する時に自然と充電されます。そのため、電池の管理が必要ありません。いつ、起きるかわからない災害に対して有効です。
また、磁力線は、もともと利用されていないので、新たに家庭用電力を消費しないので経済的です。
窓際発電
室内の窓際に太陽電池を置くことで発電することができます。窓ガラスを通した光なので発電量は屋外で発電するより少ないです。
しかし、大容量電気二重層コンデンサに充電することで、日々の備えとして懐中電灯やラジオ、スマホの予備電源として使うことがきます。
Webサイト
下のサイトも参考になります。
まとめ
東日本大震災から9年になり、風化してきています。
しかし、次の災害に備えるために、災害の記憶を風化させてはいけないと思います。
災害を風化させないための一つの方法として、防災をテーマにした子供の自由研究に効果が期待でき、そして、実際に取り組む時の手掛かりとなるアイデア・技術を参考に話しました。
生徒とともに行った防災をテーマにした課題研究を行った経験から感じる効果
効果1:研究目的がわかりやすいので、自由研究に積極的に取り組みます。
効果2:災害時を具体的にイメージして備えを考えることができます。
効果3:自分の視点だけでなく、他の人々や社会について考えるようになります。
防災をテーマにした自由研究の手掛かりになるアイデア・技術
特別な管理が不要な、懐中電灯やラジオ、スマホ等の予備電源
電気コード発電・・電気製品を使用しているだけで、意識することなく発電できる
窓際発電・・・・・窓際に置くだけで発電できる
災害に備えるために、この夏、ぜひ試していただけたらと思います。
保護者のお悩み解決:水道水は電気を通すか調べる実験は、子供がやる気になりました。
小学生の自由研究は、頭痛の種ですよね。
子どもからすれば、「何をしたらいいのかわからないし、面倒くさい。」。
親からすれば、「自由研究は子供の宿題だ。だからと言って、よその子の作品を見ると保護者がかなり手を出しているようなので、ほったらかしもできない。」。
子供を自由研究に取り組ませるのにとても苦労しました。
試行錯誤していた中で、「水道水は電気を通すか調べる自由研究」では、子供が積極的に取り組んでいました。
そこで、その研究内容をお教えします。
お子さんの自由研究の参考にしていただき、みなさんの頭痛の種が少しでも小さくなればと思います。
また、お子さんのおられない方も、「世の中の親はこんな苦労もしているんだ」と笑いながらお読みください。
- 次のように、うまくいきました。
- 子供が楽しそうに取り組んでいました。
- 生き物の観察と違って結果がすぐに出るので、いろんなことを試していました。
- 地域の理科研究発表会に参加できて、次の年もやる気になりました。
- お金がかかっていないので、子供に好きなようにさせることができました。
- まとめ
次のように、うまくいきました。
最初に結論を言うと、こんな成果がありました。
①子供が楽しそうに取り組んでいました。
②生き物の観察と違って結果がすぐに出るので、いろんなことを試していました。
③地域の理科研究発表会に参加できて、次の年もやる気になりました。
④お金がかかっていないので、子供に好きなようにさせることができました。
それでは、どのようにして成果を出したか、これから一つ一つお話ししますね。
子供が楽しそうに取り組んでいました。
自由研究は、子供が楽しそうに取り組むのが一番大切ですよね。どんな素晴らしい結果が出ても、子供が宿題をこなすためだけに行った研究には、あまり意味がないと思います。
そこで、子供が楽しそうに行うために、私がやった仕掛けをお話しします。
方法1:学校の実験の続きを行い、よく言われている事との矛盾を見つけさせました。
小学校3年生の理科で、どんなものが電気を通すか調べる実験があります。
実験で、鉄や銅などの金属は電気を通し、ガラスや紙などは電気を通さないことを学びました。
学校でやった実験と同じように豆電球と乾電池を使って実験を行いました。
結果は、はさみでは豆電球は点灯しますが、水道水では点灯しませんでした。
みなさん、水道水は電気を通さないのでしょうか?
変ですよね。
よく、「コンセントに濡れた手でさわってはいけません。」と注意されたり、子供に注意したことありますよね。
なぜですか?
水は電気を通すからですよね。
では、豆電球の実験結果(水道水で点灯しなかった)は何だったのでしょう。
子供なりに、「変だなあ」と思い自由研究をやる気になりました。
方法2:学校で実験したものと同じしくみで実験しました。
一度、自分で経験していれば、2度目はハードルが低くなります。
学校で、電気の流れを勉強していましたので、同じしくみで上図のような回路を作りました。
電気の流れる道筋は、
乾電池(プラス極)⇒銅板⇒調べる物:水道水⇒銅板⇒LED(プラス側)⇒LED(マイナス側)⇒乾電池(マイナス極)
です。
調べる物が電気を通すものであればLEDは点灯しますし、電気を通さなければLEDは点灯しません。
子供は、実験装置のしくみを簡単に理解していました。
ただし、豆電球ではなくLEDを使いました。
LED電球は、白熱電球より消費電力が小さいことは、もう、誰でも知っています。同じように、ここで使ったLEDも豆電球より少ない電流で光ります。そのため、豆電球は点灯しなかったとしても、LEDなら点灯することがあると考えLEDを使いました。
方法3:親と一緒に、実験装置を子供自身が作りました。
誰でも、自分がもともと欲しい物でない限り、人から与えられたものって、何か強制されているようでうれしくないですよね。特に、もともとやりたくなかったことについて準備されていると、とくに嫌です。
だからと言って、子供に自分だけで疑問を解決するための実験装置を作る力なんかありません。そこで、子供と一緒に実験装置を作りました。
(子供がやるのは当たり前なので、改めて言うのは変ですね。でも、子供の友達の作品を見ていると親の頑張りが目に付くのがとても多くあります。)
具体的には、
①子供と一緒に店に出かけ、材料を選びました。
ホームセンター、100円ショップ2店舗(ダイソー、セリア)を子供と巡りました。
②材料の加工方法(寸法や切り方)を教えて、実際の加工は子供に行わせました。
電線の被覆を剥き方、電線のつなぎ方、カッターの使い方などを教えながら、子供に作らせました。
子供は、「親と一緒に、材料を探して店を巡ったり、ものを作る。」ことを楽しんでいました。
材料は、普段、子供が目にしている物を使いました。
このような材料を使いました。
100均商品のクリスマスイルミネーションの電池ボックスを使いました。
少し恥ずかしいのですが、私の家のクリスマスツリーのイルミネーションに100均商品を使っていたので、子供にとってなじみのものでした。
少ない電流でも、赤いLEDならはっきり見えます。
LEDは、豆電球より少ない電流で光ります。特に、赤のLEDは他の色のLEDに比べて一番少ない電流で光るため、点灯するのがはっきり見えました。
これも、クリスマスツリーで子供が見たことがあるものでした。
ただし、クリスマスツリーに使っているLEDでちょうどいいものが100円ショップになかったので、ホームセンターの電気パーツ売り場で購入しました。
電線はプラス、マイナス色分けしました。
子供にプラス、マイナスを意識させるために、プラス側をアカの電線、マイナス側をアオの電線にしました。本当は、一般的にはアオではなくクロです。すぐに手に入らなかったのでアオを使ってしまいました
これも、ホームセンターの電気パーツ売り場で購入しました。
目玉クリップで銅板に電線をつなぎました。
目玉クリップの穴あき部分に電線を通して電線をつなぎました。はんだ付けがいりません。
100円ショップで購入しました。
銅板は、たった100円で手に入れました。
準備するのに一番苦労しました。
ホームセンターのDIY材料売り場で銅板を売っていました。しかし、販売されているのは、大きすぎてしかも千円以上してもったいなくて断念しました。
そして、100円ショップで使えそうなものを隈なくさがして見つけました。
ジャーン。虫よけの銅板です。
ナメクジが近づかなくするものですが、逆に、私が引き寄せられました。(笑)
幅もちょうどよく、はさみで切って長さを調整するだけで使うことができました。
ホームセンターで買わなくてよかった。
中の様子がわかるように透明なプラスチックケースを使いました。
水を入れるのに使います。100均商品です。
巻きすを使いました。
巻きすなんか何に使うんだ?なんて思ったでしょう。
実は、銅板を水の中で動かないように固定するために使いました。
銅板をメモリの付いた巻きすに差し込むことで、銅板と銅板の距離を簡単に変えられるようにしました。巻きすの加工は、プラスチックケースの幅に合わせて、カッターで巻きすを1回切るだけですみました。
もし、プラスチックの板だったら、銅板を差し込む場所にカッターで10か所以上切れ目を入れる必要があったので、巻きすを使ったことでとれも効率よくできました。
これも、100均商品です。
どの材料も、普段、目にしている物なので、子供は臆することなく作って楽しんでいました。
生き物の観察と違って結果がすぐに出るので、いろんなことを試していました。
上図は、実験の様子です。
水道水で、銅板の距離を4cmのときの様子です。LEDがしっかり点灯しています。これで、水道水が電気を通すことが確認できました。
実験装置を作るのに時間がかかりましたが、実験結果はすぐに出ました。
子供が何回か実験を繰り返していると、LEDの光り方が場合によって変わることに気づき、どんな場合にLEDの光が強くなるのか試していました。
銅板の距離を変えて実験した。
確認してみると、どうやら、巻きすに銅板を指す位置でLEDの光り方が変わるようでした。そこで、銅板の距離を変えて実験していました。
水道水に砂糖、食塩を溶かした場合を調べた。
化学者のまねをしてみたかったのか、料理の手伝いの延長線だったのかわかりませんが、砂糖、食塩を水道水に溶かして実験していました。とても楽しそうに、砂糖や食塩を キッチンスケールで量って実験していました。
地域の理科研究発表会に参加できて、次の年もやる気になりました。
自由研究を学校に提出したところ、地域の小・中学校の生徒が集まって行われる理科研究発表会に参加することができました。
私の子供は、普段、あまり他校の生徒と付き合うことがなかったので、理科研究会でとても楽しそうにしていました。そして、次の年も自由研究をやる気になっていました。
お金がかかっていないので、子供に好きなようにさせることができました。
材料についてお話ししたように、材料のほとんどを100円ショップで購入しました。そのため、かかった費用もわずかで、壊してもすぐに代わりを買うことができました。おかげで、子供に好きなように製作や実験をさせることができました。
まとめ
小学生の自由研究は、子供にとっても、親にとっても大変でした。
その中で、うまくいった「水道水は電気を通すか調べる自由研究」の様子をお教えしました。
この研究では、こんな成果がありました。
①子供が楽しそうに取り組んでいました。
②生き物の観察と違って結果がすぐに出るので、いろんなことを試していました。
③地域の理科研究発表会に参加できて、次の年もやる気になりました。
④お金がかかっていないので、子供に好きなようにさせることができました。
今思えば、自由研究は子供も親も大変でしたが、得るものが多くありました。
ぜひ、参考にされて自由研究に取り組んでいただけたらと思います。
以上、水道水は電気を通すか調べる自由研究はおもしろくて、子供が次の年もやる気になったことについてお話ししました。
そもそも、なんで自由研究をやるの?と思われる方は、以下のサイトが参考になります。
質問やコメントお待ちしています。
家庭で温度条件を変えて実験する方法、発泡スチロールを使った恒温ボックスを作りました。
自由研究も、できれば、前の年の研究を発展させたいものです。
いろいろ悩んだ結果、前の年と温度条件を変えることにしました。
しかし、学校と違って恒温槽などの設備がありません。
そこで、実験のために家庭でできる恒温ボックスを作りました。
家庭で温度条件を変えた自由研究をするために、私がどのようにしたのかお話しします。
どうぞ、参考にしてください。
どうして、温度条件を変えることになったか
初めて自由研究を提出した年に、地域の理科研究発表会に参加することができました。
その時、自分の学校以外の先生から褒められたのがうれしくて、本人は、2年目も自由研究をやる気になりました。
いざ、夏休みが近づいても、本人には何をテーマにしたらいいか浮かびません。
私は、できれば継続して取り組んでほしいのですが、テーマはあくまで子供が決めるものです。
結局、子供とテーマについていろんなことを話すことになりました。いろんなことを話しているうちに、理科研究会で審査の先生から「実験した時の気温が影響するかな?」とのコメントをいただきました。
ちょうど、小学校では理科の実験で温度と水、空気などの変化について学んでいたので、温度について関心を持ち始めていました。
そこで、実際に、一度消耗した電池を、何もしないでもう一度つないで場合と、手であたためてからつないだ場合を試させ、違いがあること確認しました。
その結果から、電池のパワー(エネルギー)が影響していることを確認して、改めて実験することになりました。
意味ある結果を出すには、3つ以上の温度で実験する必要がありました。
子供が思いついたのは両極端で、電池が冷たい場合と熱い場合の二つの実験をすることでした。一応、温度は測ることを考えていました。
ここで、サポートしたのは、電池が冷たい場合と熱い場合だけでなく、電池のパワー(エネルギー)と温度の関係がわかるように、3つ以上の温度で実験することを提案しました。
子供はとても面倒がりましたが、少しづつ測定する温度を増やしました。
どのようにして、電池の温度を変えるか悩みました。
温度を変えて実験することは決まったのですが、では、どうやって電池の温度を変えて実験するのか悩みました。
子供のアイデアでは、冷蔵庫の中に電池を入れて冷やしたり、ドライヤーであっためてから実験することでした。
これまでの実験では、電池のパワー(エネルギー)を測るのに、ハンディー扇風機を回すことができる時間を測っています。そのため、1回の実験は1時間以上かかっていました。
もし電池の温度がすぐに変わると、電池のパワー(エネルギー)と温度の関係について正しい結果を出すことができません。そのため、温度を1時間程度一定に保つ仕組みが必要でした。
保冷剤をクーラーボックスに入れて家族でよく出かけていたので、子供と考えついたのが下図のような実験方法でした。
子供一人では考え付きませんし、また、私だけでも考えつかなかったと思います。いろんな経験を一緒にしておくことが大切だなあと思いました。
また、最終的には、この図のようになりましたが、温度をできるだけ長い時間一定に保つために何度も子供と失敗を重ねて改良しました。
私が独走し始めると子供は私に任せきりにし始めるし、また、子供だけにやらせてもストップしてしまうし、調整がとても大変でした。
主に3つの工夫をしました。
実際の実験装置を写真を使って説明します。
上の図は、実験装置の全体の姿です。
ハンディー扇風機の回る時間で電池のパワー(エネルギー)を比較する実験装置です。
今回の実験では、電池の周囲温度の影響を調べるのが目的なので、電池だけを温度を一定にするための発砲スチロールに入れて、小さな穴から電線を通して電気を取り出しました。
上の図は、電池を入れる発泡スチロールです。百円ショップで買いました。発砲スチロールは、保温・保冷によく使いますよね。
発泡スチロールの中に、使い捨てカイロや保冷剤を入れて電池の周りの温度を変えます。カイロや保冷剤に電池が直接触れないように電池は内部で吊るしています。また、中に扇風機がありますが、これは、発泡スチロールの中の空気をかき混ぜて温度を均一にするためのものです。
電池を入れた発泡スチロールの周囲に、さらに温水または冷水で囲むようにしました。発泡スチロールに入れていても、外部温度の影響があります。そこで、できるだけ温度変化を小さくしようと、温水または冷水で囲みました。温度計の温度を見て、お湯を入れたり、冷却材を水に入れたりして温度を調整しました。
まとめ
温度を一定に保って実験を行うために、家庭でも作れる恒温ボックスの作り方を説明しました。実際にこれで実験してみて、子供も私も、いい結果が出せたと思っています。
自由研究で大切なのは、学校で行う理科の実験のように正確な値や関係を導き出すことでなく、自分たちの疑問について、自分たちのアイデアでそれなりの結果を出すことだと思います。
小学生を持つ保護者の方、試してみませんか?
子供が主体的に自由研究に取り組むための方法、乾電池の研究がおもしろいです。
毎年、多くの保護者が、子供の夏休みの自由研究で頭を悩ませていますよね。
どうやって子供にその気にさせたらいいのか。どんな自由研究をしたらいいのか。多くの保護者はわからないと思います。
夏休みなると、読書感想文のおすすめ本と、自由研究・工作のネタ本のコーナーが書店の入り口付近に作られるくらいです。
私も、大変苦労しました。
さて、「今から夏休みの話なんか早すぎる。」と感じられる方がほとんどでしょう。また、親がそもそも口や手を出すべきでないと考えておられる方もいるでしょう。
でも、子供がどうしようもなくなってから手伝って、子供がやったのか親がやったのかわからないものを仕上げるより、計画的に支援したほうがましではないでしょうか。
そこで、私の子供が、乾電池の自由研究に取り組んだ時の様子を例に、具体的なサポートの仕方をご紹介します。
お子さんの自由研究をサポートする手掛かりにしてください。
親が前のめりになっては、子供によくないと思われる方もおられるでしょうが、私なりに工夫したことを紹介しますので少しだけ我慢してお読みください。
しょうがないなぁ
- 動機付け:「子どもがやりたい!」と思うためには、子供の体験が重要でした。
- 研究内容の決め方:子供と話しながら、調べることを決めました。
- 実験方法の考え方:実物を見ながら方法を考えました。
- 実験器具について:子供の視点でサポートしました。
- 乾電池について知ることができるサイトがあります。
- まとめ
動機付け:「子どもがやりたい!」と思うためには、子供の体験が重要でした。
インターネット上には、たくさん自由研究のネタが紹介されています。
テーマを自主的に選ばせようとして、仮に、「自由研究のネタ」から子供に選ばせても、本当に「子どもがやりたい!」と思ったものを選ぶことは少ないと思います。大抵は、「簡単そうだから」、「時間がかからないから」と言った理由ではないでしょうか。
私の場合、自由研究のネタなどの本やWebを子供に見せませんでした。
たまたま、私は、夏休み前に、子供のラジコンカーに使う電池を一緒に買いに行きました。
さまざまな種類の電池を置いている電気店で、電池を見ながら子どもと一緒に電池を選びました。
乾電池を買う際に、さまざまな種類と値段の乾電池があって一緒に迷いました。
乾電池にはいろいろな説明が書いていましたが、二人で、本当に違いがあるか疑問に思いました。
その経験をもとに、「乾電池パワーの研究」に取り組むことになりました。
研究内容の決め方:子供と話しながら、調べることを決めました。
当時、小3でしたので、電圧、電流など言っても理解できません。とにかく、電池にはラジコンを動かすパワーが入っているくらいの理解です。
そこで、子供と話しながら、次のことを調べることに決めました。
1 マンガン乾電池にどれだけのパワー(エネルギー)が入っているのか
乾電池にパワー(エネルギー)が入っていることは、新しい電池を入れるとラジコンが動くことから理解できました。でも、子供と話しているうちに、1個の乾電池でどれくらい動かすことができるか感覚的にもお互い知りませんでした。
う~ん、確かに
2 乾電池を作った会社や値段とパワー(エネルギー)の違いがあるのか
同じ種類の乾電池でもメーカーによって、100円ショップで売られている安価なものや、その数倍の値段のものがあります。実際に、その値段ほど違いがあるか疑問に思いました。
それ、大人の疑問だろう!
子供は、「いろんな電池がたくさんあるから試してみよう」という感じでした。
3.マンガン乾電池、アルカリ乾電池、オキシライド乾電池のパワー(エネルギー)の違いについて
実験を重ねているうちに、同じサイズの乾電池でも、電池に書かれているマンガン、アルカリ、オキシライドなどの種類があることを知り、さらに、「長持ち」などの表示を見て本当なのか疑問に思うようになりました。
やっていると、新たな疑問が湧いてくるもんだよね。
実験方法の考え方:実物を見ながら方法を考えました。
電池やハンディー扇風機など実際のものを見て、触りながら実験装置をどうするか一緒にアイデアを考え、図のような実験装置を作りました。
大人の考え方では電圧計や電流計を使うのでしょうが、小学生ですから測定値からでは、電池に入っているパワー(エネルギー)を理解できません。
そこで、電池で動く小型扇風機が回っている時間で、感覚的に電池のパワーを比べることにしました。
実験器具について:子供の視点でサポートしました。
電池で動かすものとして、ハンディー扇風機を使いました。
次の理由でハンディー扇風機を使いました。
1 子供が見たこと、触れたことがある。
たまたま100円ショップで買ったハンディー扇風機が手元にあり、子供も使っていたので、これを買い足して実験器具にしました。
2 安全
回転するものですが、羽は柔らかい素材でできているので、子供だけで実験しても問題ありません。
3 壊しても安価ですぐ買える。
子供に何かさせるときは、壊すことを前提に考えておかなければなりません。実験に使うものが高価だったり、すぐに買えないものだとすると、壊さないように必要以上に保護者が口を出してしまいます。そうならないように、安価で手に入りやすいものを選びました。
子供がかっこいいというのでバッテリーチェッカーを使いました。
いかにも、科学実験をしている感じがして、また、カッコいいと子供が言うので、バッテリーチェッカーをつなぎました。ちょっと背伸びしたものを使うことも大切だと思いました。
なお、電線の接続(半田付け)などの加工は、私が行いました。
透明で中が見える素材を使い、子供がつくりを理解しやすくしました。
電気を理解するには、水のように、電気が流れるイメージを持てるかが重要です。
そのため、電線も色分け(プラス:赤、マイナス:青)し、実験に使うハンディー扇風機、電池ボックス、実験装置のケースも透明で中が見えるものを使いました。
バッテリーチェッカーだけは、透明なものがなかったのでそのまま使いました。
子供が電気の流れを理解するのに役立ったと思います。
実験結果が早く出るように工夫しました。
最初、ハンディー扇風機1台を単三乾電池1個で回したのですが、電池のパワー(エネルギー)がなくなって止まるまでの時間が長すぎでした。途中で、飽きて止めてしまいました。
そのため、ハンディー扇風機3台を乾電池1個で回すようにしました。並列接続という言葉は理解できませんが、ハンディー扇風機3台つなぐ意味を感覚的に理解していました。
子供が飽きないで実験を行うためには、長時間にならないように工夫する必要がありました。
乾電池について知ることができるサイトがあります。
乾電池について知識をまとめたサイトを紹介します。
子供向けでおもしろいです。
まとめ
少し早いですが、夏休みの研究のたとめのに子どもを支援した様子を例に、具体的なサポートのし方をお話ししました。
まとめるとこのようになります。
1 動機付けのし方
「子どもがやりたい!」と思うためには、子供の体験が重要。
支援するために、一緒に体験する。
2 研究内容の決め方
共通の体験をもとに、疑問に思ったことを一緒に考える。
3 実験方法の決め方
実際のものを見て、触りながら実験装置をどうするか一緒にアイデアを考える。
4 実験器具として使うものの選び方
子供が見たこと、触れたことがあるもの
安全第一
壊しても安価ですぐ買える。
ちょっと背伸びしたもの
透明でしくみを理解しやすいもの
実験時間があまり長くならない工夫する
子供が自由研究の成果を出すためには、保護者の適切なサポートが必要です。
そのためには、それなりに準備と時間がかかるので、今から、考えておくのもいいと思います。
ご質問、コメントお待ちしています。
なお、次にサイトも参考になります。