みちともブログ

一部上場企業でシステムエンジニアとして情報社会の第一線で15年間働き、さらにその後17年間高校教師として教育現場の最前線で子供たちの教育にあたって、さまざまな経験を積みました。社会人経験者教員としての経験をもとに、みんなの暮らしや教育の課題・悩みを解決する方法を紹介します。

家庭で温度条件を変えて実験する方法、発泡スチロールを使った恒温ボックスを作りました。

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 自由研究も、できれば、前の年の研究を発展させたいものです。

 いろいろ悩んだ結果、前の年と温度条件を変えることにしました。

 しかし、学校と違って恒温槽などの設備がありません。

 そこで、実験のために家庭でできる恒温ボックスを作りました。

 家庭で温度条件を変えた自由研究をするために、私がどのようにしたのかお話しします。

 どうぞ、参考にしてください。

 

 

どうして、温度条件を変えることになったか

 初めて自由研究を提出した年に、地域の理科研究発表会に参加することができました。

 その時、自分の学校以外の先生から褒められたのがうれしくて、本人は、2年目も自由研究をやる気になりました。

 いざ、夏休みが近づいても、本人には何をテーマにしたらいいか浮かびません。

 私は、できれば継続して取り組んでほしいのですが、テーマはあくまで子供が決めるものです。

 結局、子供とテーマについていろんなことを話すことになりました。いろんなことを話しているうちに、理科研究会で審査の先生から「実験した時の気温が影響するかな?」とのコメントをいただきました。

 ちょうど、小学校では理科の実験で温度と水、空気などの変化について学んでいたので、温度について関心を持ち始めていました。

 そこで、実際に、一度消耗した電池を、何もしないでもう一度つないで場合と、手であたためてからつないだ場合を試させ、違いがあること確認しました。

 その結果から、電池のパワー(エネルギー)が影響していることを確認して、改めて実験することになりました。

 

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意味ある結果を出すには、3つ以上の温度で実験する必要がありました。

 子供が思いついたのは両極端で、電池が冷たい場合と熱い場合の二つの実験をすることでした。一応、温度は測ることを考えていました。

 ここで、サポートしたのは、電池が冷たい場合と熱い場合だけでなく、電池のパワー(エネルギー)と温度の関係がわかるように、3つ以上の温度で実験することを提案しました。

 子供はとても面倒がりましたが、少しづつ測定する温度を増やしました。

どのようにして、電池の温度を変えるか悩みました。

  温度を変えて実験することは決まったのですが、では、どうやって電池の温度を変えて実験するのか悩みました。

 子供のアイデアでは、冷蔵庫の中に電池を入れて冷やしたり、ドライヤーであっためてから実験することでした。

 これまでの実験では、電池のパワー(エネルギー)を測るのに、ハンディー扇風機を回すことができる時間を測っています。そのため、1回の実験は1時間以上かかっていました。

 もし電池の温度がすぐに変わると、電池のパワー(エネルギー)と温度の関係について正しい結果を出すことができません。そのため、温度を1時間程度一定に保つ仕組みが必要でした。

 保冷剤をクーラーボックスに入れて家族でよく出かけていたので、子供と考えついたのが下図のような実験方法でした。

 子供一人では考え付きませんし、また、私だけでも考えつかなかったと思います。いろんな経験を一緒にしておくことが大切だなあと思いました。

 また、最終的には、この図のようになりましたが、温度をできるだけ長い時間一定に保つために何度も子供と失敗を重ねて改良しました。

 私が独走し始めると子供は私に任せきりにし始めるし、また、子供だけにやらせてもストップしてしまうし、調整がとても大変でした。 

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 主に3つの工夫をしました。

  実際の実験装置を写真を使って説明します。

 

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 上の図は、実験装置の全体の姿です。

 ハンディー扇風機の回る時間で電池のパワー(エネルギー)を比較する実験装置です。

 今回の実験では、電池の周囲温度の影響を調べるのが目的なので、電池だけを温度を一定にするための発砲スチロールに入れて、小さな穴から電線を通して電気を取り出しました。f:id:michitomo2019:20200304153959j:plain

 上の図は、電池を入れる発泡スチロールです。百円ショップで買いました。発砲スチロールは、保温・保冷によく使いますよね。

 発泡スチロールの中に、使い捨てカイロや保冷剤を入れて電池の周りの温度を変えます。カイロや保冷剤に電池が直接触れないように電池は内部で吊るしています。また、中に扇風機がありますが、これは、発泡スチロールの中の空気をかき混ぜて温度を均一にするためのものです。

 

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 電池を入れた発泡スチロールの周囲に、さらに温水または冷水で囲むようにしました。発泡スチロールに入れていても、外部温度の影響があります。そこで、できるだけ温度変化を小さくしようと、温水または冷水で囲みました。温度計の温度を見て、お湯を入れたり、冷却材を水に入れたりして温度を調整しました。

まとめ

  温度を一定に保って実験を行うために、家庭でも作れる恒温ボックスの作り方を説明しました。実際にこれで実験してみて、子供も私も、いい結果が出せたと思っています。

 自由研究で大切なのは、学校で行う理科の実験のように正確な値や関係を導き出すことでなく、自分たちの疑問について、自分たちのアイデアでそれなりの結果を出すことだと思います。

 小学生を持つ保護者の方、試してみませんか?