みちともブログ

一部上場企業でシステムエンジニアとして情報社会の第一線で15年間働き、さらにその後17年間高校教師として教育現場の最前線で子供たちの教育にあたって、さまざまな経験を積みました。社会人経験者教員としての経験をもとに、みんなの暮らしや教育の課題・悩みを解決する方法を紹介します。

保護者のお悩み解決:水道水は電気を通すか調べる実験は、子供がやる気になりました。

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 小学生の自由研究は、頭痛の種ですよね。

 子どもからすれば、「何をしたらいいのかわからないし、面倒くさい。」。

 親からすれば、「自由研究は子供の宿題だ。だからと言って、よその子の作品を見ると保護者がかなり手を出しているようなので、ほったらかしもできない。」。

 子供を自由研究に取り組ませるのにとても苦労しました。

 試行錯誤していた中で、「水道水は電気を通すか調べる自由研究」では、子供が積極的に取り組んでいました。

 そこで、その研究内容をお教えします。

 お子さんの自由研究の参考にしていただき、みなさんの頭痛の種が少しでも小さくなればと思います。

 また、お子さんのおられない方も、「世の中の親はこんな苦労もしているんだ」と笑いながらお読みください。

 

 

次のように、うまくいきました。

最初に結論を言うと、こんな成果がありました。

 ①子供が楽しそうに取り組んでいました。

 ②生き物の観察と違って結果がすぐに出るので、いろんなことを試していました。

 ③地域の理科研究発表会に参加できて、次の年もやる気になりました。

 ④お金がかかっていないので、子供に好きなようにさせることができました。

それでは、どのようにして成果を出したか、これから一つ一つお話ししますね。

 

子供が楽しそうに取り組んでいました。

 自由研究は、子供が楽しそうに取り組むのが一番大切ですよね。どんな素晴らしい結果が出ても、子供が宿題をこなすためだけに行った研究には、あまり意味がないと思います。

 そこで、子供が楽しそうに行うために、私がやった仕掛けをお話しします。

方法1:学校の実験の続きを行い、よく言われている事との矛盾を見つけさせました。

 小学校3年生の理科で、どんなものが電気を通すか調べる実験があります。

 実験で、鉄や銅などの金属は電気を通し、ガラスや紙などは電気を通さないことを学びました。

 学校でやった実験と同じように豆電球と乾電池を使って実験を行いました。

 結果は、はさみでは豆電球は点灯しますが、水道水では点灯しませんでした。

 みなさん、水道水は電気を通さないのでしょうか?

 変ですよね。

 よく、「コンセントに濡れた手でさわってはいけません。」と注意されたり、子供に注意したことありますよね。

 なぜですか?

 水は電気を通すからですよね。

 では、豆電球の実験結果(水道水で点灯しなかった)は何だったのでしょう。

 子供なりに、「変だなあ」と思い自由研究をやる気になりました。

 

方法2:学校で実験したものと同じしくみで実験しました。

f:id:michitomo2019:20200309160525j:plain 一度、自分で経験していれば、2度目はハードルが低くなります。

 学校で、電気の流れを勉強していましたので、同じしくみで上図のような回路を作りました。

 電気の流れる道筋は、

 乾電池(プラス極)⇒銅板⇒調べる物:水道水⇒銅板⇒LED(プラス側)⇒LED(マイナス側)⇒乾電池(マイナス極)

です。

 調べる物が電気を通すものであればLEDは点灯しますし、電気を通さなければLEDは点灯しません。

 子供は、実験装置のしくみを簡単に理解していました。

 

 ただし、豆電球ではなくLEDを使いました。

 LED電球は、白熱電球より消費電力が小さいことは、もう、誰でも知っています。同じように、ここで使ったLEDも豆電球より少ない電流で光ります。そのため、豆電球は点灯しなかったとしても、LEDなら点灯することがあると考えLEDを使いました。

 

方法3:親と一緒に、実験装置を子供自身が作りました。

 誰でも、自分がもともと欲しい物でない限り、人から与えられたものって、何か強制されているようでうれしくないですよね。特に、もともとやりたくなかったことについて準備されていると、とくに嫌です。

 だからと言って、子供に自分だけで疑問を解決するための実験装置を作る力なんかありません。そこで、子供と一緒に実験装置を作りました。

(子供がやるのは当たり前なので、改めて言うのは変ですね。でも、子供の友達の作品を見ていると親の頑張りが目に付くのがとても多くあります。)

 具体的には、

①子供と一緒に店に出かけ、材料を選びました。

 ホームセンター、100円ショップ2店舗(ダイソー、セリア)を子供と巡りました。

②材料の加工方法(寸法や切り方)を教えて、実際の加工は子供に行わせました。

 電線の被覆を剥き方、電線のつなぎ方、カッターの使い方などを教えながら、子供に作らせました。

 子供は、「親と一緒に、材料を探して店を巡ったり、ものを作る。」ことを楽しんでいました。

 

材料は、普段、子供が目にしている物を使いました。

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 このような材料を使いました。

100均商品のクリスマスイルミネーションの電池ボックスを使いました。

 少し恥ずかしいのですが、私の家のクリスマスツリーのイルミネーションに100均商品を使っていたので、子供にとってなじみのものでした。

少ない電流でも、赤いLEDならはっきり見えます。

 LEDは、豆電球より少ない電流で光ります。特に、赤のLEDは他の色のLEDに比べて一番少ない電流で光るため、点灯するのがはっきり見えました。

 これも、クリスマスツリーで子供が見たことがあるものでした。

 ただし、クリスマスツリーに使っているLEDでちょうどいいものが100円ショップになかったので、ホームセンターの電気パーツ売り場で購入しました。

電線はプラス、マイナス色分けしました。

 子供にプラス、マイナスを意識させるために、プラス側をアカの電線、マイナス側をアオの電線にしました。本当は、一般的にはアオではなくクロです。すぐに手に入らなかったのでアオを使ってしまいました

 これも、ホームセンターの電気パーツ売り場で購入しました。

目玉クリップで銅板に電線をつなぎました。

 目玉クリップの穴あき部分に電線を通して電線をつなぎました。はんだ付けがいりません。

 100円ショップで購入しました。

銅板は、たった100円で手に入れました。

 準備するのに一番苦労しました。

 ホームセンターのDIY材料売り場で銅板を売っていました。しかし、販売されているのは、大きすぎてしかも千円以上してもったいなくて断念しました。

 そして、100円ショップで使えそうなものを隈なくさがして見つけました。

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 ジャーン。虫よけの銅板です。

 ナメクジが近づかなくするものですが、逆に、私が引き寄せられました。(笑)

 幅もちょうどよく、はさみで切って長さを調整するだけで使うことができました。

 ホームセンターで買わなくてよかった。

中の様子がわかるように透明なプラスチックケースを使いました。

 水を入れるのに使います。100均商品です。

巻きすを使いました。

 巻きすなんか何に使うんだ?なんて思ったでしょう。

 実は、銅板を水の中で動かないように固定するために使いました。

 銅板をメモリの付いた巻きすに差し込むことで、銅板と銅板の距離を簡単に変えられるようにしました。巻きすの加工は、プラスチックケースの幅に合わせて、カッターで巻きすを1回切るだけですみました。

 もし、プラスチックの板だったら、銅板を差し込む場所にカッターで10か所以上切れ目を入れる必要があったので、巻きすを使ったことでとれも効率よくできました。

 これも、100均商品です。

 どの材料も、普段、目にしている物なので、子供は臆することなく作って楽しんでいました。

 

生き物の観察と違って結果がすぐに出るので、いろんなことを試していました。

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 上図は、実験の様子です。

 水道水で、銅板の距離を4cmのときの様子です。LEDがしっかり点灯しています。これで、水道水が電気を通すことが確認できました。

 実験装置を作るのに時間がかかりましたが、実験結果はすぐに出ました。

 子供が何回か実験を繰り返していると、LEDの光り方が場合によって変わることに気づき、どんな場合にLEDの光が強くなるのか試していました。

銅板の距離を変えて実験した。

 確認してみると、どうやら、巻きすに銅板を指す位置でLEDの光り方が変わるようでした。そこで、銅板の距離を変えて実験していました。

水道水に砂糖、食塩を溶かした場合を調べた。

 化学者のまねをしてみたかったのか、料理の手伝いの延長線だったのかわかりませんが、砂糖、食塩を水道水に溶かして実験していました。とても楽しそうに、砂糖や食塩を キッチンスケールで量って実験していました。

地域の理科研究発表会に参加できて、次の年もやる気になりました。

 自由研究を学校に提出したところ、地域の小・中学校の生徒が集まって行われる理科研究発表会に参加することができました。

 私の子供は、普段、あまり他校の生徒と付き合うことがなかったので、理科研究会でとても楽しそうにしていました。そして、次の年も自由研究をやる気になっていました。

お金がかかっていないので、子供に好きなようにさせることができました。

 材料についてお話ししたように、材料のほとんどを100円ショップで購入しました。そのため、かかった費用もわずかで、壊してもすぐに代わりを買うことができました。おかげで、子供に好きなように製作や実験をさせることができました。

まとめ

 小学生の自由研究は、子供にとっても、親にとっても大変でした。

 その中で、うまくいった「水道水は電気を通すか調べる自由研究」の様子をお教えしました。

 この研究では、こんな成果がありました。

 ①子供が楽しそうに取り組んでいました。

 ②生き物の観察と違って結果がすぐに出るので、いろんなことを試していました。

 ③地域の理科研究発表会に参加できて、次の年もやる気になりました。

 ④お金がかかっていないので、子供に好きなようにさせることができました。

 今思えば、自由研究は子供も親も大変でしたが、得るものが多くありました。

 ぜひ、参考にされて自由研究に取り組んでいただけたらと思います。

 

  以上、水道水は電気を通すか調べる自由研究はおもしろくて、子供が次の年もやる気になったことについてお話ししました。 

 そもそも、なんで自由研究をやるの?と思われる方は、以下のサイトが参考になります。

sukusuku.tokyo-np.co.jp

 

 質問やコメントお待ちしています。