みちともブログ

一部上場企業でシステムエンジニアとして情報社会の第一線で15年間働き、さらにその後17年間高校教師として教育現場の最前線で子供たちの教育にあたって、さまざまな経験を積みました。社会人経験者教員としての経験をもとに、みんなの暮らしや教育の課題・悩みを解決する方法を紹介します。

災害を風化させない方法、防災をテーマにした子供の自由研究が役立ちます。

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 東日本大震災から9年になりました。政府はハード面の復興が進んだことを強調していますが、人々の関心は明らかに風化してきています。

 言い古されたことですが、自然災害はいつ起こるかわかりません。そして、繰り返し起きます。次の災害に備えるために、災害の記憶を風化させてはいけないと思います。

 ところで、私は、東日本大震災の直後から、課題研究(高校の科目)という授業で、東日本大震災被災者支援チャリティーや災害時に必要なものを作る研究に生徒と取り組みました。その時に、生徒の災害に対する姿勢や他人への思いやりなどが変化したことを感じました。

 その経験から、災害を風化させないためには、防災をテーマにした子供の自由研究が役立つ思います。

 そこで、課題研究を生徒ともに行った経験に基づいて、防災をテーマにした自由研究に期待される効果と、自由研究の手掛かりになるアイデア・技術についてお話しします。

 

防災をテーマした自由研究に期待される効果

 防災をテーマした自由研究には、次のような効果が期待されるので、災害を風化させないことに役立つと思います。

効果1:研究目的がわかりやすいので、自由研究に積極的に取り組みます。

 「研究」というと難しそうで、何をしたらいいか迷ってしまいます。自由研究でも、子供自らが積極的に取り組むようにするのが最も難しいです。

東日本大震災後の1か月後のときです。課題研究のテーマおよびグループ分けをするときに、防災をテーマにすることを提案したところ、予定人数を超える生徒が集まりました。その後、生徒は、約1年間、積極的に取り組んでいました。翌年も、防災をテーマにした課題研究に、多くの生徒が希望しました。結局、5年間も継続しました。

毎年多くの生徒が、研究を通じて災害による被害や恐さを心に刻んでいました。

防災をテーマにすることで、研究目的を自らの視点で捉え、子供自らが積極的に取り組むことが期待できます。

効果2:災害時を具体的にイメージして備えを考えることができます。

 東日本大震災後では、生徒が、灯り、電源、通信の必要性を実感しました。

 そのため、生徒の課題研究では、災害用の効率のよい照明、ポータブルの太陽光発電装置、停電時でも使える校内情報ネットワークなどの製作に取り組みました。

 防災について考えることは、誰が、どんな場面で、どのように、何を使うのかをイメージすることです。防災の自由研究に取り組むことで、災害時を具体的にイメージして備えを考えることができます。

効果3:自分の視点だけでなく、他の人々や社会について考えるようになります。

自分の視点だけで物事を判断する人が多くいます。私の生徒もそうでした。しかし、災害時の自分をイメージすることで、一人では何もできないことに気が付き、他の人々や社会を意識できるようになっていました。そのため、子供が自由研究に取り組むことで、同じような効果が期待できます。

防災をテーマにした自由研究の手掛かりになるアイデア・技術

 防災の自由研究の期待される効果を理解しても、手掛かりとなる技術・アイデアがないと難しいと思います。日々の生活では停電を経験することはほとんどありませんが、災害時には停電することを考えておかなければなりません。そこで、停電への備えについての技術・アイデアを2つ紹介します。

電気コード発電

 テレビ、パソコンやエアコンなどの電気製品を使っている時、その電気コードのまわりから磁力線が出ています。この磁力線を使って発電することできます。 

 災害のために乾電池を保管しますが、乾電池は自然に消耗するので使用期間を管理しておく必要があります。

 電気コード周りの磁界から発電する方法は、家庭用電源を使用する時に自然と充電されます。そのため、電池の管理が必要ありません。いつ、起きるかわからない災害に対して有効です。

 また、磁力線は、もともと利用されていないので、新たに家庭用電力を消費しないので経済的です。

窓際発電

 室内の窓際に太陽電池を置くことで発電することができます。窓ガラスを通した光なので発電量は屋外で発電するより少ないです。

 しかし、大容量電気二重層コンデンサに充電することで、日々の備えとして懐中電灯やラジオ、スマホの予備電源として使うことがきます。

 

Webサイト

  下のサイトも参考になります。

bosaijapan.jp

まとめ

 東日本大震災から9年になり、風化してきています。

 しかし、次の災害に備えるために、災害の記憶を風化させてはいけないと思います。

 災害を風化させないための一つの方法として、防災をテーマにした子供の自由研究に効果が期待でき、そして、実際に取り組む時の手掛かりとなるアイデア・技術を参考に話しました。

 生徒とともに行った防災をテーマにした課題研究を行った経験から感じる効果

 効果1:研究目的がわかりやすいので、自由研究に積極的に取り組みます。

 効果2:災害時を具体的にイメージして備えを考えることができます。

 効果3:自分の視点だけでなく、他の人々や社会について考えるようになります。

 防災をテーマにした自由研究の手掛かりになるアイデア・技術

 特別な管理が不要な、懐中電灯やラジオ、スマホ等の予備電源

  電気コード発電・・電気製品を使用しているだけで、意識することなく発電できる 

  窓際発電・・・・・窓際に置くだけで発電できる 

 災害に備えるために、この夏、ぜひ試していただけたらと思います。