みちともブログ

一部上場企業でシステムエンジニアとして情報社会の第一線で15年間働き、さらにその後17年間高校教師として教育現場の最前線で子供たちの教育にあたって、さまざまな経験を積みました。社会人経験者教員としての経験をもとに、みんなの暮らしや教育の課題・悩みを解決する方法を紹介します。

子供が主体的に自由研究に取り組むための方法、乾電池の研究がおもしろいです。

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 毎年、多くの保護者が、子供の夏休みの自由研究で頭を悩ませていますよね。

 どうやって子供にその気にさせたらいいのか。どんな自由研究をしたらいいのか。多くの保護者はわからないと思います。

 夏休みなると、読書感想文のおすすめ本と、自由研究・工作のネタ本のコーナーが書店の入り口付近に作られるくらいです。

 私も、大変苦労しました。

 さて、「今から夏休みの話なんか早すぎる。」と感じられる方がほとんどでしょう。また、親がそもそも口や手を出すべきでないと考えておられる方もいるでしょう。

 でも、子供がどうしようもなくなってから手伝って、子供がやったのか親がやったのかわからないものを仕上げるより、計画的に支援したほうがましではないでしょうか

 そこで、私の子供が、乾電池の自由研究に取り組んだ時の様子を例に、具体的なサポートの仕方をご紹介します。

 お子さんの自由研究をサポートする手掛かりにしてください。

 親が前のめりになっては、子供によくないと思われる方もおられるでしょうが、私なりに工夫したことを紹介しますので少しだけ我慢してお読みください。

しょうがないなぁ

 

 

動機付け:「子どもがやりたい!」と思うためには、子供の体験が重要でした。

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 インターネット上には、たくさん自由研究のネタが紹介されています。

 テーマを自主的に選ばせようとして、仮に、「自由研究のネタ」から子供に選ばせても、本当に「子どもがやりたい!」と思ったものを選ぶことは少ないと思います。大抵は、「簡単そうだから」、「時間がかからないから」と言った理由ではないでしょうか。

 私の場合、自由研究のネタなどの本やWebを子供に見せませんでした。

 たまたま、私は、夏休み前に、子供のラジコンカーに使う電池を一緒に買いに行きました。

 さまざまな種類の電池を置いている電気店で、電池を見ながら子どもと一緒に電池を選びました。

 乾電池を買う際に、さまざまな種類と値段の乾電池があって一緒に迷いました。

 乾電池にはいろいろな説明が書いていましたが、二人で、本当に違いがあるか疑問に思いました。

 その経験をもとに、「乾電池パワーの研究」に取り組むことになりました。

 

研究内容の決め方:子供と話しながら、調べることを決めました。

 当時、小3でしたので、電圧、電流など言っても理解できません。とにかく、電池にはラジコンを動かすパワーが入っているくらいの理解です。

 そこで、子供と話しながら、次のことを調べることに決めました。

1 マンガン乾電池にどれだけのパワー(エネルギー)が入っているのか

 乾電池にパワー(エネルギー)が入っていることは、新しい電池を入れるとラジコンが動くことから理解できました。でも、子供と話しているうちに、1個の乾電池でどれくらい動かすことができるか感覚的にもお互い知りませんでした。

う~ん、確かに

2 乾電池を作った会社や値段とパワー(エネルギー)の違いがあるのか

 同じ種類の乾電池でもメーカーによって、100円ショップで売られている安価なものや、その数倍の値段のものがあります。実際に、その値段ほど違いがあるか疑問に思いました。

それ、大人の疑問だろう!

 子供は、「いろんな電池がたくさんあるから試してみよう」という感じでした。

3.マンガン乾電池、アルカリ乾電池、オキシライド乾電池のパワー(エネルギー)の違いについて

 実験を重ねているうちに、同じサイズの乾電池でも、電池に書かれているマンガン、アルカリ、オキシライドなどの種類があることを知り、さらに、「長持ち」などの表示を見て本当なのか疑問に思うようになりました。

やっていると、新たな疑問が湧いてくるもんだよね。 

 

実験方法の考え方:実物を見ながら方法を考えました。

 

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 電池やハンディー扇風機など実際のものを見て、触りながら実験装置をどうするか一緒にアイデアを考え、図のような実験装置を作りました。

 大人の考え方では電圧計や電流計を使うのでしょうが、小学生ですから測定値からでは、電池に入っているパワー(エネルギー)を理解できません。

 そこで、電池で動く小型扇風機が回っている時間で、感覚的に電池のパワーを比べることにしました。

 

実験器具について:子供の視点でサポートしました。

電池で動かすものとして、ハンディー扇風機を使いました。

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 次の理由でハンディー扇風機を使いました。

1 子供が見たこと、触れたことがある。

 たまたま100円ショップで買ったハンディー扇風機が手元にあり、子供も使っていたので、これを買い足して実験器具にしました。

2 安全

 回転するものですが、羽は柔らかい素材でできているので、子供だけで実験しても問題ありません。

3 壊しても安価ですぐ買える。

 子供に何かさせるときは、壊すことを前提に考えておかなければなりません。実験に使うものが高価だったり、すぐに買えないものだとすると、壊さないように必要以上に保護者が口を出してしまいます。そうならないように、安価で手に入りやすいものを選びました。

子供がかっこいいというのでバッテリーチェッカーを使いました。

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 いかにも、科学実験をしている感じがして、また、カッコいいと子供が言うので、バッテリーチェッカーをつなぎました。ちょっと背伸びしたものを使うことも大切だと思いました。

 なお、電線の接続(半田付け)などの加工は、私が行いました。

 

透明で中が見える素材を使い、子供がつくりを理解しやすくしました。

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 電気を理解するには、水のように、電気が流れるイメージを持てるかが重要です。

 そのため、電線も色分け(プラス:赤、マイナス:青)し、実験に使うハンディー扇風機、電池ボックス、実験装置のケースも透明で中が見えるものを使いました。

 バッテリーチェッカーだけは、透明なものがなかったのでそのまま使いました。

 子供が電気の流れを理解するのに役立ったと思います。

 

実験結果が早く出るように工夫しました。

 最初、ハンディー扇風機1台を単三乾電池1個で回したのですが、電池のパワー(エネルギー)がなくなって止まるまでの時間が長すぎでした。途中で、飽きて止めてしまいました。

 そのため、ハンディー扇風機3台を乾電池1個で回すようにしました。並列接続という言葉は理解できませんが、ハンディー扇風機3台つなぐ意味を感覚的に理解していました。

 子供が飽きないで実験を行うためには、長時間にならないように工夫する必要がありました。

 乾電池について知ることができるサイトがあります。

 乾電池について知識をまとめたサイトを紹介します。

 子供向けでおもしろいです。

www.baj.or.jp

まとめ

 少し早いですが、夏休みの研究のたとめのに子どもを支援した様子を例に、具体的なサポートのし方をお話ししました。

まとめるとこのようになります。

1 動機付けのし方

 「子どもがやりたい!」と思うためには、子供の体験が重要。

 支援するために、一緒に体験する。

2 研究内容の決め方

 共通の体験をもとに、疑問に思ったことを一緒に考える。

3 実験方法の決め方

 実際のものを見て、触りながら実験装置をどうするか一緒にアイデアを考える。

4 実験器具として使うものの選び方

 子供が見たこと、触れたことがあるもの

 安全第一

 壊しても安価ですぐ買える。

 ちょっと背伸びしたもの

 透明でしくみを理解しやすいもの

 実験時間があまり長くならない工夫する

 

 子供が自由研究の成果を出すためには、保護者の適切なサポートが必要です。

 そのためには、それなりに準備と時間がかかるので、今から、考えておくのもいいと思います。

 ご質問、コメントお待ちしています。

 なお、次にサイトも参考になります。

小学生 自由研究 テーマ一覧|小学生・中学生夏休みの宿題解決策特集