みちともブログ

一部上場企業でシステムエンジニアとして情報社会の第一線で15年間働き、さらにその後17年間高校教師として教育現場の最前線で子供たちの教育にあたって、さまざまな経験を積みました。社会人経験者教員としての経験をもとに、みんなの暮らしや教育の課題・悩みを解決する方法を紹介します。

新型コロナウイルスで社会が不安な今こそ、キャリア教育のチャンスです。

親の言葉で伝えるキャリア教育


 新型コロナウイルスの影響による消費の落ち込み、企業の生産調整、資金繰りの悪化などのため、多くの人々の雇用や収入に深刻な影響が出てきています。

 

 また、学校が休校になるなど、子供はいやでも社会情勢に関心を持たざるを得ない状況です。

 

 ところで、「キャリア教育」を知っていますか?

 

 「キャリア教育」は、一言で言うと、社会的・職業的にひとり立ちするための能力や態度を育てることです。

 

 ですから、親であれば少なからず、誰でもやっていることで、特別なことではありません。

 

 しかし、「キャリア教育は難しい」とよく言われます。

 

 私も、そう思います。

 

 なぜなら、子供は、親や教員の話を自分のこととして、なかなか聞いてくれないからです。

 

 そこで、新型コロナウイルスで仕事で直面している課題やそれに対応している姿を子供に話してあげましょう。

 社会への関心が高まっている今こそ、子供のキャリア教育のチャンスです。

 

 今回は、今がキャリア教育のチャンスである理由とどうすればいいのか、私の経験をもとにお話しします。

  

本当は、子供は自分の将来のことを不安に思い、社会のことを知りたがっています。

私の授業では、企業人としての経験や考えたことを多く話しました。

 私は、教員採用のときに、書類提出、小論文の筆記試験、複数の面接などで、「どうして教員を目指したのか」、「教員になったら何をしたいか」を何度も問われました。

 

 そして、一貫して「自分が企業人として経験したこと、考えたことを生徒に伝えたい。」と主張して採用されました。

 

 そのため、教員になってからは、学習指導要領に従って教科書の内容を教えるのは当然ですが、その過程で、企業にいた時の仕事の内容(守秘義務に反しない範囲で)、人間関係、失敗、成功などを生徒に話しました。

 

  なお、キャリア教育についてイメージがわかない方は、以下のサイトがわかり易いです。

www.mext.go.jp

 

生徒は、私の授業を関心を持ってよく聞いていました。

 私が元会社員だったこともあり(教師らしくないので)、学校の事務員や用務員の方ととても話が合いました。

 

 用務員は、トイレットペーパーの交換や校舎内の点検のために、よく校舎内を巡回しています。

 

 そのため、授業の様子をよく見ていて、「あの先生の授業は、生徒がかってに話していて授業になっていない」とか、「あの先生は生徒が寝ていても注意しない」とか、先生方の授業の様子をよく知っていました。

 

 (校長よりも知っている感じがしました。)

 

 そんな彼らに、私の授業を見て、「教えていることは何か難しそうなのに、生徒がよく話を聞いている。」と言ってもらえました。

 

(ごめんなさい、自慢のつもりではないです。でも、研究授業をやったときの他の先生方のコメントよりうれしかったです。)

 

生徒に、授業でためになったと思うことを書かせると、企業での話を挙げる生徒がとても多くいました。

 学校では、すべての授業について期末ごとに授業アンケートを取ります。

 

 評価項目、評価基準は学校で決められています。

 

(名目は授業改善のためのデータ収集ですが、教員からすれば通信簿みたいなものです。)

 

 私の授業内容についての生徒の評価は、悪くはありませんでしたが、特別にいいわけでもありませんでした。

 

 一方で、授業アンケートとは別に一年間の最後の授業で、私は生徒に授業で覚えている事、ためになったことなどを自由に書いてもらいました。

 

 すると、くの生徒が挙げたのが、会社での私の経験の話でした。

 

 (文部科学省の定めた授業の目的からすれば、あまりよくありません。)

 

 新型コロナウイルスで社会不安になっている今こそ、子供に寄り添った視点でみて社会状況を教えてあげると聞いてもらえます。

 インターネットの発達によって情報があふれています。

 

 そのため、読者の皆さんは、大人よりも子供たちの方がさまざまなことを知っていると思っていませんか?

 

 教員になる前は、私もそう思っていました。

 

 しかし、教員として多くの生徒と接してみてわかりました。

 

 確かに、SNSの発達で断片的な情報が広く早く伝わるようになってはいます。

 

 でも、子供たちは、情報をしっかり受け止めることができていませんでした。

 

 つまり、

 一方的、感情的な情報が多く、その情報が信用できる情報でない事を子供たちも気がついています。

 そのため、何を信じていいか自信が持てず、情報に基づいた行動ができない子が多くいました。

 

 もちろん、学校や教育関係の会社からキャリアに関する情報が伝えられています。

 

 でも、多くの生徒を対象としており、生徒からすれば一般的なことしか書いていないため、自分のこととして受け止められないでいます。

 

 そこで、今こそ、子供のそばにいる保護者が、自分の目で見たこと、聞いた事、経験したことなど、信用できる具体的な情報を子供に伝えると聞いてもらえます。

 

 

 今回は、新型コロナウイルスで社会不安になっている今こそ、子供に寄り添った視点でみた社会状況を教えてあげると、自分のこととして聞いてもらえます。今が、子供のキャリア教育のチャンスであることをお話ししました。

 

 ご意見、コメントお待ちしています。