新ITパスポート試験/新出「イノベーションのジレンマ」はこのように出題された!
こんにちは、みちともです。
「13. 技術開発戦略の立案・技術開発計画 」の項目で、新しく追加になった「イノベーションのジレンマ」です。
令和元年度秋期 問17を解説します。
今回の問題は、選択肢の文章を読んで、与えられた用語の説明か判断する問題です。
用語の知識だけでなく、文章からポイントやキーワードを読み解く力が必要です。
実際の問題で、各用語のキーワードやポイントを読み解く力を養いましょう。
【ITパスポート試験 令和元年度 秋期 問17】
【問題】イノベーションのジレンマに関する記述として,最も適切なものはどれか。
ア 最初に商品を消費したときに感じた価値や満足度が,消費する量が増えるに従い,徐々に低下していく現象
イ 自社の既存商品がシヱアを占めている市場に,自社の新商品を導入することで,既存商品のシェアを奪ってしまう現象
ウ 全売上の大部分を,少数の顧客が占めている状態
エ 優良な大企業が,革新的な技術の追求よりも,既存技術の向上でシェアを確保することに注力してしまい,結果的に市場でのシェアの確保に失敗する現象
【回答】
エ
【解説】
イノベーションのジレンマとは、業界トップになった企業が顧客の意見に耳を傾けて既存技術の向上に注力し、さらに高品質の製品サービスを提供することがイノベーション「技術革新」に立ち後れ、失敗を招くという考え方です。
上の説明を図で時間の流れを追って説明します。
①優良大企業は、既存の顧客のため従来技術の改良を行っています。
一方で、新興企業は、破壊的イノベーション(技術革新)を起こし、新規の技術開発に注力します。
②優良大企業は、技術改良によってシェアを伸ばします。
新興企業は、顧客の満足する性能にたどり着けないのでシェアを獲得できません。
③優良大企業は、技術改良を続けますが、次第に顧客が求める性能以上(過剰スペック)になりシェアは伸びません。
新興企業は、安ければ高性能でなくてもいい顧客を獲得し、シェアを伸ばします。
④新興企業は、さらに性能を向上させ、優良大企業の顧客を奪います。
優良大企業は、過剰スペックでシェアを減らします。
それでは、選択肢を確認しましょう。
ア 限界効用逓減の法則を指しています。慣れたものに対して満足度を感じなくなってしまう傾向があることです。ポイントは、「価値や満足度が,消費する量が増えるに従い,徐々に低下していく」です。よって、誤りです。
イ カニバリゼーションを指しています。カニバリゼーションには、「共食い」という意味もあります。ポイントは、「自社の新商品を導入することで,既存商品のシェアを奪ってしまう」です。ITパスポート平成27年春期 問17でも選択肢として出ました。よって、誤りです
ウ パレートの法則の例です。選択肢の文章そのものがポイントです。よって、誤りです。
エ 正解です。ポイントは、「革新的な技術の追求よりも,既存技術の向上」、「シェアの確保に失敗」です。
どうでしたか?
選択肢に説明にあった限界効用逓減の法則も、カニバリゼーションもシラバスに用語例としては記載されていませんが、今回の問題のように、説明文が選択肢に出てくることがあります。
覚えておきましょう。
みちともでした。
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